多方面の業種の皆さんと出会うことでとても多くの学びを頂いています。
沢山のご意見で外から日本舞踊を覗いてみることは今を知る機会としてもっとも大切で有意義なものになっております。
日本舞踊発展のために少しですが「なるほど」と思える本物の日本舞踊を見つけられそうで楽しみです。
屋形船の赤い火影が揺れる隅田川に、揃い浴衣の影をふたつ並べたこともありました。
でも今は、爪弾く音を流れに乗せるばかりです。江戸情緒豊かな『風流水景色』を踊る波島陽子さんは、手の表情が細やかでしかも大きく伸びやかなのに見ほれます。
もともと日本の舞踊は、「おすべり」や「おひねり」などの下半身の安定した動作の上で上半身の細やかな身振りが役どころの行為や心の動き、さらには風の動きや月のありようまでをも所作の中に反映しています。
隅田の川風に恋心が微妙に揺れる様子は、わずかに指先と目線の行方で暗示し、そこに、私たちは江戸の粋を懐かしく読み取るのです。
新舞踊は歌謡曲を身体動作で翻訳すると言ってもいいのではないかと私は思っています。
しかし、言葉を直截(ストレート)に動作変換すると、それは踊るジェスチャーでしかありません。露わな動きをそぎ落としていって、わずかに残った微妙な動きを強調した時に「粋」が生まれます。かといって、粋だけでは歌謡の物語性を踊りで表現するわけにはいきません。波島さんの真骨頂は、日本美としての粋と、現代に通じる物語性としての所作を程よく塩梅したところにあります。それは、演劇の分野で女剣劇の全盛時代を築いた浅香光代の舞台で役者をこなした経験が身に沁みついているからではないでしょうか。その証拠に、彼女の『女鬼龍院』を一度ごらんになってください。義理の縦縞男帯、女らしさに粋な啖呵の、泣く子も黙る鬼龍院を、男足と女足をさしかえつつ、「粋」と「意気」とをたくみに表現仕分けて、一曲の踊りに一幕の芝居をみるような満足感を抱かせてくれます。
加藤和郎(かとうかずろう)氏プロフィール
・名古屋大学メディア造形学部教授
・モンゴル国カラコルム大学客員教授:名誉博士
・NHK文化センター「映像塾」主宰
・ミス日本コンテスト事務局スーパーバイザー(本部審査員)
・能楽金春流シテ方桜間会顧問
・JAAミュージカルアカデミースーパーバイザー
・実践美学フォーラム幹事
・元NHKチーフプロデューサー
1943年生まれ。 65年からNHK長野局でTVニュース取材。 「あさま山荘事件」(72年)を10日間のニュース映像と強行救出の10時間生中継で構成した「軽井沢の連合赤軍」はカンヌ国際ルポルタージュコンクール審査員特別賞を受賞。77年から「ニュースワイド」「ゆく年くる年」などを総合演出。 NHK衛星第一副編集長、衛星放送局編成チーフプロデューサーとして活躍
94年に(株)NHK情報ネットワーク企画事業部担当部長を経て現在に至る。
I-Media 情報バザール StyleFM「言葉の美容室」
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日本で学ぶことはたくさんあります。そして学んだ日本の文化や伝統を母国中国の若者に正しく伝えたいと思っていました。
そのとき波島陽子さんに出会いました。文化という言葉は衣・食・住などの日常生活全般にかかわる習慣や、芸能、道徳などと理解している人は少なくないでしょう。
なかには、芸術、学問、振る舞いの体系なども含まれているでしょう。
日本の文化もさまざまな要素を含み、また他国からの影響も受けながら時代とともに変遷しています。
しかし、日本文化は日本固有の価値観を核としていると私は考えます。
波島陽子さんの踊りは和という概念を特徴的に示され、他国からの文化なども取り入れ、ストーリーとして日本固有価値観「型」を尊重しながら、道具、息まで命が宿り、普通では見られない独特の世界があります。
また、踊りの中に、そのシグサひとつひとつは一貫する極めて日本的なものですが、表面的には大きく変化し自由に楽しく演じられています。機会をみて留学生にも触れてもらいたいと思っています。
それはしっかりとした基礎が底辺にあるから基本的に日本を学べると思うからです。
時代とともに日本の文化伝統も変化していますが、それをうまく伝えているように思えて感心しています。